こんにちは!ブリンク人事部 石岡です。
今回は昨年末に、ブリンクのエンジニアNさんが
「RPA DIGITAL WORLD TOKYO 2019」に行ってきましたので、そのレポートをご紹介します!
RPAとは何か、どんなサービスに役立っているのかが分かりやすく書かれておりますので、ぜひご覧ください!
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最近ここ数年で頻繁に耳にするようになった「RPA」というキーワード。
巷ではかなり騒がれている印象がありますよね。
市場としても急速に拡大しており、今後の我々の業務にも深い関わりがあることから今回はその動向に注目するべく、RPA DIGITAL WORLD TOKYO 2019 に行ってきましたのでレポートします。
とその前に、RPAとはそもそも何か?という前提知識を。
RPAとは、Robotec Process Automationの略。
つまり、ロボットが業務などのプロセスを自動化するという直訳のままですね。
例えば、工場での自動車の製造行程を思い浮かべると分かりやすいです。昔は人間が自動車の部品をあくせくと組み立てていたものを、現在ではロボットがその行程を担っています。
それがついにホワイトカラーにも到来したということです。
もう少し詳しく説明すると、人間がキーボードやPC操作をしていたものをロボットに任せてしまうということ。ロボットというと顔や手がある人間のようなものをイメージしてしまいそうですが、ホワイトカラーの場合は、このロボットはソフトやツールというイメージに近いでしょうか。
端的にざっくり表現すると、「自動化ツール」。
自動化ツールは前から存在していましたが、使える範囲が限定されていました。
ですが、それがここ数年の間に独自ソフトやブラウザなどを飛び越え、あらゆるものに対応してきたことにより、シェアが一気に拡大され注目を浴びてきたというわけです。
と、RPAの説明はこれくらいにして、具体的にIT各社がどのようにしてこのRPAを展開していくのかを今回の展示会ブースで発信していましたので、ご紹介していきましょう。
- COMSQUARE
今回、私が一番関心をもったのはこちらのコムスクエアが開発した『ロボシュタイン』です。100名ほどの企業であるにもかかわらず、独自でこのソフトを開発してしまうのは素晴らしいの一言です。今年のinteropにも出展し審査員特別賞を受賞したそうです。
しかもPATROLCLARICEという監視ソフトまで独自で開発した実績もあり、非常に開発力に優れている企業と言えます。
さてこのロボシュタインの凄さは、SNSを主軸に運用監視業務に関わる周辺のあらゆるツールやソフト、システムと連携し一括して自動化してくれるという優れものです。これさえあれば運用監視の人員削減の実現はかなり期待できるのではないでしょうか。
具体例を紹介すると、、、
Zabbixがアラート検知しメール送信 → ロボシュタインが受信しredmineを自動起票、slackで担当者に自動通知 → slackを受信した担当者がslackでロボシュタインに対象システムのリブートを指示 → ロボシュタインが自動リブート実施。リブート後のスクショをslackで担当者に通知 → 担当者はスクショから復旧を無事確認。
つまり、ロボシュタインが各システムの仲介役を担っているため、これまで人間がオペレーションしていたzabbix、redmine、対象システムのリブート操作がすべて自動化されているのが分かります。
担当者は遠隔でスマホを確認し、slackにコメントさえすればよい。
しかもシステムの画面をスクショし経過報告までしてくれるので、エビデンスがばっちり残っているという優れもの。図の通りかなり広範囲のシステムを網羅しており汎用性があります。またオンプレ側にあるPCやPowerShell、WinActorなどの他RPAツールの実行・監視も実現できるのだそうです。
さらに、こうして自動化したことによる時間・工数の削減効果をグラフ、図表で可視化までしてくれます。至り尽くせりのロボシュタインですね。
- NTTコム
2010年にNTT研究所で開発された純国産の 『WinActor』 というRPAソフトウェアがあります。これは国内シェアNo.1だそうです。
今回のRPA展示会でも至るところで、このWinActorという名称が飛び交っていました。他社のブースでも盛んに取り上げられていたとから、RPA市場ではこのWinActorは欠かせない存在になっているのが、とても感じ取れました。さすが大御所のNTTといったところでしょうか。
WinActorは、ExcelやwordといったOffice系、Webブラウザ、ERP、OCR、電子決済、個別の業務システムなどのwindowsで操作可能な様々なアプリケーションに対応したRPAソフトウェア。GUIでシナリオ作成し実行させることにより自動化が可能になる流れのようです。
今回のNTTコムでは、そのWinActorを用いてSalesforceのシステムを連携させる『WinActor for Salesforce over VPN』 を展開。
APIデータ連携ができ、大量のデータ投入や転記などの定型業務の自動化により業務効率化が実現できたそうです。Salesforceの作り込まれた独自UIとWinActorとの連携は非常に強力なツールになりそうですね。
さてこれまでは、独自開発のものを取り上げましたが、そういったものばかりではありません。他社の既存製品を利用して、サポートを手厚くしたりコストを抑えて提供したり、他製品を上手く組み合わせてパッケージ化して提供したりなど、各ブースによって様々なスタイルが見受けられました。
例えば、クレオという会社は主にバックオフィス系を支援するCREO-OCR、CREO-RPAの展開をしていましたが、CREO-OCRは「Tegaki」(株式会社Cogent Labsの開発)、CREO-RPAは「BizRobo!」(RPAテクノロジーズ株式会社の開発)という他社の製品を独自の開発環境に合わせて提供をしていました。
非常に手厚いサポートや研修をつけ、初期費用を無くしたり、提供コストを安価にすることにより、スモールスタートとして始めやすいユーザーをターゲットに絞り上手な戦略を用いて展開をしていました。
ちなみに「OCR」という名称も今回のRPA展示会では非常に大きく取り上げられていました。OCRというのは、Optical Character Readerの略で手書きや印刷された文字をスキャナ等で読みとり、デジタルの文字コードに変換する技術です。このOCRの技術も随分と進化しており、書類→デジタルへのペーパーレス化にも非常に大きな役割を担っていることから注目度が高かった印象です。
そして次にソフトバンク。
ソフトバンクも既存の他社製品を使った戦略で『Automation Anywhere Enterprise』と『SynchRoid』を展開していました。Automation Anywhere Enterpriseは北米NO.1と謳っていましたので、ソフトバンクならではの規模感を感じましたね。SynchRoidはBizRobo!のシリーズのようです。ソフトバンクも90日間無料ライセンスや専任講師がオンライン形式でスキルアップを支援するというオプションを付けたりするなど工夫を凝らしていました。
そして最後に、RoboRoid。
こちらの企業で紹介していたのは 『RoboRoid-HIT.S』 というサービスです。これまでとは少し視点を変えたものになり、業務そのものを自動化するという観点ではなく、RPA導入に伴う適正診断を行うようなサービスでした。
どんな業務をRPA化すればよいのか?
RPAを導入したが効果が不明確。
RPAをどうやって管理すればよいのかわからない。
といった悩みを解消するための診断をするといったイメージでしょうか。
例えば、普段の業務では「何のドキュメントに対して」「どんな業務をおこなっているのか」「頻度・工数・担当人数」などを自動で記録していき、その統計を取るというもの。その統計から、毎日繰り返し行われている作業が洗い出されれば、その作業はRPA化できるのではないかと判断したりすることができます。RPA導入に伴い普段の業務をサーベイするというのはとても重要な観点なので、なかなか興味深いものではないかと感じました。
ということで、今回のRPA展示会での感想を一通り述べてみましたが、いかがだったでしょうか。私はこの展示会に来る前は、RPAというとそれは非常に革新的なもので新しい技術なのではないかと想像していました。しかし、RPAという大きな1つの括りを冷静に分解し、細かい部分で捉えてみると、それ自体はそれほど新鮮なものではないと感じました。つまり、ひとつひとつの要素はこれまでエンジニアがプログラミングやスクリプトで自動化してきたものであり、それを寄せ集めて大きな集合体として見せたものが、RPAなのではないかと思うようになりました。
そして、その集合体を難しい専門的知識がなくても、GUIで手軽にシナリオを作成し実行できてしまう、という操作性がグッと一般的に身近になったことが急速に普及した要因ではないかと今回のRPA展示会で感じとることができました。
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いかがでしょうか?
コロナウイルスが流行していて、ご自宅にいる時間が長くなっているかなと思いますので
RPAはもちろん、スキルアップのための勉強等をしてみてはいかがでしょうか?
(ちなみに私は、話すチカラという安住アナウンサーと明治大学教授が書かれた本を読んで、皆さんに伝わりやすい話し方などを勉強しています!)