レポート★次世代自動車運転コネクテッドカー カンファレンス ~ オンデマンド配信 ~ | 株式会社ブリンクグループ

レポート★次世代自動車運転コネクテッドカー カンファレンス ~ オンデマンド配信 ~

2020年11月13日

ご無沙汰しております!ブリンク人事部 石岡です。

勉強熱心で有名なブリンクのエンジニアNさんが、

今回は「次世代自動車運転コネクテッドカー カンファレンス~ オンデマンド配信 ~」に参加されましたので、

そのレポートをご紹介します!

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今回開催されたITイベント「次世代自動車運転コネクテッドカー カンファレンス」も、

新型コロナウイルスの感染拡大に配慮し、リアルとオンラインでのハイブリット開催となりました。

ITイベントは基本的には平日開催が多く、イベント参加にはこれまでは休暇を取得する必要がありましたが、

オンデマンド配信などにより、日時を気にせず視聴できるようになりました。

その分、ITイベントへの参加のハードルも随分と下がり、より参加しやすくなってきました。

 

この新型コロナウイルスによる世界的パンデミックで、世界中の人々の生活様式が一変し、

昨今では再び ”ニューノーマル(New Normal)” という言葉が使われるようになりましたが、

こういったITイベントのオンデマンド配信もいわゆる “ニューノーマル” のひとつとして定着してきているように感じます。

 

さて今回は、”コネクテッドカー” にスポットを当てたイベントですが、

それだけ自動車とITの分野の連携が、将来への大きな発展に期待されているからだと考えられます。

このイベントでは、総務省による基調講演の配信がありましたので、

今回はコネクテッドカーにおいて政府としての見解や取り組みをレポートしていきたいと思います。

 

  • 総務省 

【講演内容:コネクテッドカー・自動運転をめぐる動向と総務省の取組み】

そもそもコネクテッドカーとはどういったものなのか?

という説明もなされていましたので、ここでもご紹介させていただきます。

出典元:総務省HP (https://www.soumu.go.jp/main_content/000501450.pdf)

 

Connected Carとは、、、

 

「双方向で色々な人やモノにつながるクルマ」

 

と総務省は定義していました。

クルマと〇〇というつながり方です。例えば、V2N(Vehicle-to-Network)は、

”クルマとネットワーク”、V2I(Vehicle-to-Infrastructure)は、”クルマとインフラ”というように、

「V2〇」という表現で使われたりします。主にこの ”つながる(Connected)” というのは、

インターネット5Gなどの高速・大容量化、低遅延の実現により、ビッグデータ、AIをクルマとつなげることで

飛躍的な進化を遂げることができる、というニュアンスが大きいと考えられます。

例えば、自動運転が最たるものではないでしょうか。

自動運転が実現すれば、運転手はいらなくなり、移動中のクルマ内では、家やオフィスのような空間となり、

様々な利活用が実現します。さらに車内がインターネットにつながれば、

エンターテインメントを楽しむことができ、ビジネスをすることも可能になります。

車内の過ごし方が非常に大きく変化します。

 

ただし、完全な自動運転には、まだまだ多くの課題などがあり、もう少し未来の話になりそうです。

自動運転には段階的なレベルがあり、総務省はそのレベルを次のように説明していました。

出典元:総務省の基調講演内の資料

 

自動運転のレベルはレベル5までありますが、レベル2とレベル3には大きな差があります。

それは、運転の主体を「人間(運転者)」が担うのか、「システム」が担うのかです。

これは非常に大きな違いです。レベル3以上のシステムには極めて高度な演算能力が必要と言われていますし、

それ以外にも例えば、ハンドルを離して自動運転で事故などを起こしたときの責任の所在は運転者なのか?

作ったメーカーなのか?といった法整備が明確になっていないといけないです。

つまり、技術だけでは自動運転は実現できない、ということになります。

 

さて、このような課題がある中、総務省はどのような取り組みを行っているのでしょうか。

総務省では関係省庁と連携し、以下の施策を実施しています。

出典元:総務省の基調講演内の資料

主に、無線の制度整備や研究開発、実証を推進しているようです。

特に国際的には、他国との無線の周波数の標準化のすり合わせを行っています。

この周波数については、現在もまだ決定していない段階のようです。

各国で使用している周波数にバラつきがあり、国際標準化に向けた動きはこれから活発になってくるのではないでしょうか。

 

また技術試験の取り組みについては、5.9GHz帯にV2X(クルマとX。Xとは全てを表現して表す総称)を導入した場合の電波干渉の影響などの試験を実施し、自動運転社会の実現に必要な通信の実現時期や自動運転普及率などのロードマップ案を策定するそうです。

出典元:総務省の基調講演内の資料

 

さらに5Gネットワークの構築についても説明がありました。

興味深かったのは、5Gの基地局を信号機に設置する、というものでした。

すでに調査は進んでいるようで、都道府県啓作が整備、運用、管理する約21万基の信号機のうち、

集中制御が可能な信号機は3割程度というのが分かっているそうです。

確かにこれまでの基地局は建物に取り付けていたので、設置の協議や許可、

工事費用など設置までの課題がありますが、信号機に設置すれば、随分とその手間などが軽減されるように感じます。これには期待できそうです。

 

さて、そもそもコネクテッドカーとは?ということなどと合わせて、総務省の取り組みについて解説してきましたが、私としては法整備のところの具体案をもう少し聞きたかったと感じるところがありました。

もしかすると、技術面がある程度実現しないと難しい側面なのかもしれません。

 

また自動運転のこれからの課題として、、、

そもそもV2X対応機器を搭載したクルマが増加することが条件になります。

V2Xを搭載した車両でないと、クルマとクルマの間でお互いに通信することができませんし、コストもまだ高額だと思われます。またインフラの整備も必要です。クルマと通信ができる道路側のセンサー機器や監視カメラの設置などインフラ整備がなされないと、交通量の多い都市では自動運転は機能しないでしょう。

さらに5Gネットワークがどこでも容易に利用可能である状況でないと、クルマとの通信を制御するのに必要な高速で大容量、低遅延の実現が難しくなります。また技術が実現できても、法整備の問題があります。課題は山積しています。

 

とはいいつつも、一部の限られた場所、比較的簡易的な動作で完結するような現場や人間が少し補助すれば実現できるものもあります。そういった限定的な範囲では、すでに導入が進められているようです。

このように段階的に自動運転のレベルを上げていき、完全な自動運転の実現を目指していくのではないかと思われます。

 

最後に、もし仮にドライバーの必要のない完全な自動運転が実現してしまったら、想像以上に便利で効率的、そして安心安全な環境が実現するでしょう。

しかしその一方で、クルマを運転するのが大好きな人達の気持ちの行き場所はどこに向かっていくのでしょうか。もう峠を攻める人たちはいなくなるのでしょうか。

イニシャルDの世界は非現実的なものになってしまうのでしょうか。すでにマニュアル車も減り、オートマ車ばかりになっている世の中です。そう考えると、個人的にはちょっと寂しい気持ちにもなってしまいます…。

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さすが、Nさん!いつもわかりやすくまとまっており、素晴らしいですよね・・・!

CMでも自動運転のワードや、高齢者の運転時には自動運転を早く導入したほうがいいなどとよく聞かれますが、

技術だけではなく、法整備も関わるということで、まだまだ課題があるということがわかりました。

命に関わることなので、くれぐれも慎重に決めていってほしいものですね!

 

ちなみに私事で恐縮ですが、最近新車を購入しました!

事故防止等の新しい機能が、これでもか!というほどあって、

まだ使い慣れていないです。(前は十数年落ちの型に乗っていたので・・・)

こんなに進化しているとは・・・と少し浦島太郎状態です(笑)

 

それでは皆さん、全国的に新型コロナウイルスが再度猛威をふるっており

加えてインフルエンザも流行し始めてきているので、

手洗いうがい、加湿等と十分にして、乗り越えていきましょう!